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シュレッダーにこだわる

シュレッダー
職員室にいる個人情報をを守る番人
なかなかたよりがいがある

最近はパワーアップし
20枚程度の普通紙を一度に入れても
あっというまにかみ砕いてくれる

いつものごとく
個人情報の詰まった書類を5枚程度入れようとした

ふと見るとボックスが一杯

「すまんね、いま空にするよ。」
と声をかけて、中身をゴミ袋に移した

ボックスを戻そうとしたとき
何やら紙の塊がたれさがっている

のぞき込んでみると何枚も重なった紙片が詰まっている

「ああ、年度末の文書整理に活躍してくれたんだな。」

紙片を引っ張り取り除こうとしたが
とれない

「ん?」

よく紙が詰まったままの状態であることがある
原因は一度に紙を入れすぎたことである
いつも気にはなっているのだが

「わかった、今からとりのぞくからね。」

本格的に作業を始める
ペンチやカッター、マイナスドライバなど

ペンチでつまんでもちぎれるどころか
何の変化もない

「てごわいなぁ。でもあきらめないよ。」

とうとうシュレッダーの電源を切り
ひっくり返して床に置いた
床に座り込んで作業を始める

あまりにも手強いので
マイナスドライバをハンマーでたたいて
紙の塊をちぎる作業に移った

「バキッ」

プラスチックにひびが入る音
「まずい。」

かなりの時間体前屈の状態で作業していた
腹筋がつりそうになる

シュレッダーを机の上に置き
椅子に座っての作業に変更

姿勢は楽になったが、作業は難航

どれくらいの時間がたっただろうか

「スパッ」

紙の一部が抜けた

「よし、いけるぞ、大丈夫だ。」

職員室では他の教員がそれぞれ仕事をしている

「すいません、いろいろうるさくて。」

しかし、この状態で使い続けるとシュレッダー君が壊れてしまう

「最近安くなったから、買い換えれば。」
まあ、そういう考え方もあるだろう。

ただ、いつも思うのだが、
適正に使っていて壊れたのならば
買い換えるしかない。

しかし、物にこだわる自分としては
そこんところが、どうしても許せない。

適正につかっていないんだから。

まあ、そういうときはいつものごとく
シュレッダ君に話しかける。

「すまんね、いつも無理させて。」

結局、最後の一切れが取り除けるまでこだわり続けた。

「よかった、きれいになったよ。また、よろしくね。」
と、シュレッダーのスイッチを入れて、肩をたたいた。

座席に戻り、
「うぉ、達成感が半端ねぇ!!!」
隣の若い教師が
「お疲れ様でした。」
うれしい一言である。

こういう気遣いが嬉しい。
「わかってくれているんだな。」という充実感と
限りない信頼感と自己肯定感

こういう気持ちを生徒に与続けなければならない。

ここんところが分かってもらえない人々には
「A型なんでね。すいません。」
これでなぜか納得していただける。

日本固有の不思議な文化だ。

皆さん
職員室のシュレッダー大丈夫すか。

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